毒性について

(1998.8.19)
 最後は、生殖試験です。SegT、SegU、SegVとあり、妊娠時どのタイミングで投与するかによって分かれています。昔、サリドマイドを飲んだ妊婦の子供の異常がありましたが、あの時点の試験ではわからなく、その後SegU(Rabbit)が追加されたと記憶しています。
 この試験は大変です。いわゆる鼠算で子供が出来ますので、間引いても、子、孫となるとその管理が大変です。とてもコンピュータなしでは試験が出来ないのが現実です。

(1998.8.8)
 一般毒性の次は発癌性試験(Carcinogenicity)です。Mouseに生まれてから死ぬまで(約2年間)投与します。通常は餌に混ぜて(混餌)の投与となります。この場合はP.O.やI.O.のように確実に必要投与量を投与できないので餌に混ぜる割合を変えて投与量をコントロールします。他の試験でも同じですが、死亡した動物、死にそうな動物全て解剖されます。この試験に於いては癌の部分の標本を作ります。それ以外の臓器についても重量を量り、必要に応じて切片も作成します。

(1998.8.2)
 続いて行われるのが、一般毒性試験(Long term toxicity)で2週間から1年間投与を続ける試験であります。人間で言えば、30年、40年に当たる期間投与する事になります。この試験では、被検物質の動物に与える影響を調べることにより人間への影響を予想(外挿)します。データとしては、体重、摂餌量、節水量、尿検査、血液検査、各臓器の重量、病理検査、などを計測しそれらに被検物質の影響があるかどうかを調べます。データの解析は、一般的な統計手法を用いますので人為的なものは入りにくいのですが、昔、これらのデータを改竄した事件が何件かありました。今では、GLP(Good Laboratory Practice)という元々米国で決められ、その後厚生省にて決められた指針に基づき行なっていますが、出来るだけ人の意志が入らないようにするためにSOP(Standard Operation Procedure/標準操作基準)を決めそれにのっとり試験を行っています。

(1998.7.28)
 皆さんは毒性試験(安全性試験とも言う)というものをご存じですか?
 これは動物(dog、rat、mouse、guinea pig、...)を使って、被検物質(test article)の毒性を調べる試験で、新薬の開発過程で行われるものである。
 その中で最初に行われるのが単回投与(one shot)の急性毒性試験で、その言葉通り1回投与して、致死量を調べる試験であり、通常LD50(lethal dose 50)という50%が死ぬ量を求めるために行うものである。

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